4月21日
能楽監修
映画『ヴィレッジ』

近衞忠大理事長が能楽監修を担当した、
映画『ヴィレッジ』が4/21に公開しました。
『新聞記者』『余命10年』等で著名な、
藤井道人監督の話題作『ヴィレッジ』。
本作は藤井監督オリジナル脚本による、
サスペンス・エンターテイメントで、
伝統芸能の「能」が重要な要素です。
映画『ヴィレッジ』は現代日本の様々な社会問題に対するアンチテーゼが企画の骨子となっていて、当初より最古の舞台芸術である「能」に着目していたと言います。
NPO法人七五に頂いた課題は、
「能楽」をいかに物語の背骨として表現し、
現代の重たいテーマとの対比で描くか
・・・でした。
その課題を解決するべく、
白羽の矢を立てたのが喜多流能楽師の皆様。
能楽シテ方五流中で一番新しい流儀ですが、
四百年以上の歴史を誇ります。
撮影に先立っては、
藤井監督と能楽師が綿密なやりとりをしながら能楽の世界観を共有。
演目も映画のテーマに沿って選び、
それが物語の核となっています。
監督は能楽を猛勉強されたそうで、
登場人物の描写や物語の随所にそれが反映されています。
撮影は兵庫県の平之荘神社で行われました。
屋外で行われる薪能のシーンとあって、
深夜から始まった撮影は朝方に終了。
観客役エキストラ百名以上が集う中、
荘厳な空気が流れる現場でした。
能楽師の先生方は深夜の撮影は初めての経験。
演目の一部だけテイクを重ねたり、
待ち時間が長かったりと不慣な環境下で、
能楽の魅力をキャストの皆様に伝えながら、
素晴らしい舞台を演じきって頂きました。
撮影終了後豪華キャスト陣と触れあう中で、
能楽師達にも笑顔が見られ、
充実した撮影になったと実感しています。
ライフスタイルの変化の中で、
身近ではなくなってしまった「能」ですが、
スクリーンを通じて伝統の重要性や魅力が、
少しでも多くの皆様に伝われば幸いです。
異色サスペンス映画『ヴィレッジ 』。
是非、映画館でご覧ください。
映画『ヴィレッジ 』公式HP:
https://village-movie.jp/
あらすじ:
能の演目『邯鄲』を物語の核に繰り広げられるサスペンス。
ある閉鎖的な村を舞台に、父の汚名を被り借金苦で未来への希望もないゴミ処理場作業員の青年と、東京から帰ってきた幼なじみがひかれ合う様を描く。
監督・脚本: 藤井道人
音楽:岩代太郎
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
出演:横浜流星 黒木華 一ノ瀬ワタル 奥平大兼 作間龍斗
淵上泰史 戸田昌宏 矢島健一 杉本哲太 西田尚美 木野花 中村獅童 古田新太
音楽:岩代太郎
撮影:川上智之
能楽監修:NPO法人七五 近衞忠大
能楽指導:シテ方喜多流 塩津哲生 塩津圭介
配給:KADOKAWA/スターサンズ
© 2023「ヴィレッジ」製作委員会
NPO法人七五は、ありがたいことに、能楽分野のみならず多様な伝統文化継承者の方々にご賛同いただいております。
今後とも現代のクリエイティブな世界と、
伝統文化の架け橋となるような活動を続けていく所存です。